中国最高裁知財裁判廷による初めての条件付き判決


中国でこんなことも可能、中国判例短報>
中国最高裁知財裁判廷による初めての条件付き判決

TRY国際弁理士法人

中国弁護士・弁理士

叶 仲楠



本判決を参考にし

叶のアドバイス:

特許権者、実用新案権者、意匠権者(中国でいう専利権者)側へ

1. 特許権者の特許権が無効審判手続きの最中に、特許権の帰属紛争又は特許権に対する財産保全に遭遇した場合、帰属紛争当事者の請求又は当該特許権に対して財産保全措置を講じた人民法院の要求により、無効審判手続きは中止されることがある。

2. 上記の無効審判手続きが中止となった場合(特に、保全期間が合理的な期間を超える場合)、当該特許権に基づく特許権侵害訴訟において、侵害製品は特許権の権利範囲に属しても、当該特許権が無効とされる可能性が高いと認定されると(特に、新規性・進歩性を有するとされた特許権評価レポートが提出されていない実用新案権や意匠権に基づく侵害訴訟において)、裁判所は侵害判決の履行に発効条件を付すことができ、すなわち、特許庁により無効審判手続きにおいて判決に関わる請求項の有効性を維持する(侵害訴訟に対応する請求項は有効である)審決が出されてから、権利者は侵害者に判決を履行するよう通知することができる。

侵害被疑者側へ

侵害被疑者の提出した無効審判手続きが中止された場合(一般的には、特許権の帰属紛争による中止は最大1年半、特許権に対する財産保全による中止は最大1)、無効審判手続きの中止理由が、権利者が侵害訴訟を有利にするために意図的に作ったものの可能性を示す証拠や、侵害訴訟に関わる請求項が無効される可能性が高いという証拠などがあれば(特に本件専利が実体審査を受けていない実用新案または意匠である場合)、裁判所に、侵害製品が権利範囲内に属すると判断される場合知的財産局が関連請求項の有効性を維持する決定が下した場合にのみ履行するというような履行条件付きの判決を下すよう積極的に請求することが考えられる。

判決からの発想

1. 侵害されたと認定される請求項が複数ある場合、そのうち無効審判において有効と維持される請求項数(維持される権利の有効範囲)に応じて段階的な賠償額を設定する可能性もある。

2. 判決の履行または強制執行の後、専利権または関連請求項が審判で無効となっても、返金されないのは一般的ですが、本判決のように過失保全(保存期間が合理的な期間を超える)による無効手続き中止があった場合、返金される可能性がある。

3. まだ前例はないですが、無効審判において専利が無効であると審決した場合、第一審または第二審の行政訴訟でその審決を取り消し専利が有効と判断された場合も、侵害訴訟の判決の履行又は強制執行を進めることができると考えている。

判決書の関連内容

判決番号:(2024)最高法知民終370

実用新案権者(中国でいう専利権者)、一審原告、二審被上訴人:深セン某科技会社

侵害被疑者、一審被告、二審上訴人:深セン某電子会社

一審被告:羅氏

判決要項の纏め

イ号製品は請求項2,3,5~8に係る発明に該当するが、侵害被疑者による2,3,5~7の先行技術抗弁が成立している。ただし、国家知識産権局が本件特許の請求項8の無効審判請求の有効性を維持する審決を下すまでに、両被告は、本判決の「本件実用新案特許権の侵害を停止し、在庫のイ号製品を廃棄する」および「権利者の経済的損失と権利保護にかかる合理的な支出を連帯的に賠償する」という事項を履行しなくてもよい。国家知識産権局が無効審判において本件特許の請求項8の有効性を維持する審決を下した場合、原告は直ちにその審決を両被告に通知することができる。両被告は、その通知を受領した場合、直ちに本判決書に判決された「本件実用新案権の侵害を停止し、在庫の侵害製品を廃棄する」を実行するものとし、そして通知を受けた日から7日以内に本判決書に判決された「権利者の経済的損失と権利保護にかかる合理的な支出を連帯的に賠償する」を実行するものとする。国家知識産権局による本件特許の請求項8に対する無効認定の審決は発効した場合、これら判決事項の実行は不要となり、本訴訟において両被告が負担した第一審及び第二審の受理費用は、原告が返還するものとする。


TRY国際弁理士法人

〒102-0074 東京都千代田区九段南4-7-10九段藤山ビル2F

Tel:03-5545-5422

大阪オフィス 〒532-0011 大阪市淀川区西中島1丁目9番20号 新中島ビル9F

TRY International IP Law Firm

Kudan Fujiyama Building 2F,4-7-10, Kudanminami, Chiyoda-ku,Tokyo ZIP 102-0074, Japan

Tel:+81-3-5545-5422

Osaka Branch Shin-Nakajima Building 9F, 1-9-20 Nishinakajima, Yodogawa-ku, Osaka ZIP 532-0011, Japan

日本TRY国际专利事务所

〒102-0074日本东京都千代田区九段南4-7-10九段藤山大厦2F

Tel:+81-3-5545-5422

大阪分公司 〒532-0011 大阪市淀川区西中岛1-9-20新中岛大厦9楼

일본TRY국제변리사법인

〒102-0074 도쿄도 지요다구 구단 미나미 4-7-10 구단 후지야마 빌딩 2층

Tel:+81-3-5545-5422

오사카 브랜치

〒532-0011 오사카시 요도가와구 니시나카지마 1-9-20 신나카지마 빌딩 9F